FPS 磨耗試験機 AB-2012
概要
AB-2012 FPS 磨耗試験機は、
従来のスリップ率制御に加え、より実機(実車)との
相関性を高めるために、試料と磨耗ホイールとの間に
発生する摩擦力(接線力)による制御を可能にした、
新開発の磨耗試験機です。
![](https://www.ueshima-seisakusho.co.jp/shared/img/icon_detail_spec.gif)
AB-2012 FPS 磨耗試験機は、従来のスリップ率制御に加え、より実機(実車)との相関性を高めるために、試料と磨耗ホイールとの間に発生する摩擦力(接線力)による制御を可能にした、新開発の磨耗試験機です。
従来は、実機(実車)と相関の取れる摩擦エネルギーによる磨耗評価を行うためには、複数の条件によるスリップ率制御試験機の結果から摩擦エネルギーを求めて評価を行う必要がありました。
本装置はダイレクトに摩擦力を制御することによって実機(実車)の条件を更に精度良く再現することに成功しました。
試験項目
スリップ率制御試験
摩擦力制御試験
特長
FPS 摩擦試験機などの従来広く使用されていたランボーン型摩擦試験機では、実現が出来なかった摩擦力制御での試験が可能。
試験中、摩擦していく試料直径を、リアルタイムに測定を行い周長のフィードバックを随時行う。
スリップリング無しによる路面温度制御が実現。(オプション仕様)
サンプルクランプ方法をラチェット式に改良。
粘着防止剤として高精度に流量制御されたタルクフィーダを採用。(日本国特許:第4559617)
磨耗材としてセフィティーウォークを採用し試験の再現性を飛躍的に向上。
長時間試験のために、直径50mm試料では最大64個、直径70mm試料では最大32個の全自動試験が可能。
2個のブラシで磨耗ホイール表面の清掃をおこない磨耗ホイール表面状態を一定に保つことが可能。
専用ソフトウェアを用い摩擦エネルギー解析が可能。
用途
タイヤ、ベルト、ゴムロールなどの材料磨耗試験機
高分子材料に用いられている磨耗試験機は、国際規格(ISO規格)や日本工業規格(JIS規格)に数多く規定されています。これらは、試料形状、磨耗材、試験方法などが異なり、磨耗形態(パターン)が変わることで試験機間での相関が取れないケースがあります。
したがって、磨耗試験機は、実際に用いられる製品、使用される環境などを考慮に入れて選定する必要があります。FPS磨耗試験機は、特に自動車タイヤとの相関性に注力し開発されたゴム材料磨耗試験機です。
測定項目
サンプル速度(m/min)
磨耗ホイール速度(m/min)
スリップ率(%)
荷重(N)
摩擦力(N)又はトルク(N・m)
試料直径(mm)
サンプル表面温度(℃)
路面温度(℃)≪オプション≫
ソフトウェア(タッチパネル画面)
タイトル画面
電源投入時に表示される画面です。
MENU画面
MENU画面から、各操作画面を選択します。
TEST OPERATION画面
試験モードの選択・サンプル径等の選択
AUTO TEST画面
試験中の各測定データを表示します。
MAINTENANCE MENU画面
装置の単独運転の画面選択です。
TEST CONDITION1画面
試験条件を設定する画面です。
TESTING UNIT MAINTENANCE1画面
画面で試験部の単独操作をおこないます。
ALARM表示画面
アラームが発生するとエラー表示されます。
ソフトウェア(PCソフト画面)
![](/shared/img/img_mamou_09.jpg)
この画面は、試験機から現在地データを取得して表示する画面です。
「Fy」、「Torque」、「Load」、「Slip」、「Sample temp」、「Drum temp」、「Drum Heat」の現在地データを表示します。
タイヤ材料磨耗試験機 試験結果のまとめ方
規格(ISO JIS)の方法で求める
磨耗体積
体積磨耗率
磨耗抵抗指数
シビアリティで求める(摩擦エネルギ vs 1000km りの磨耗量)
摩擦エネルギ
1千kmあたりの磨耗量
試験結果(例) 材料違いによる比較
スリップ率 vs 磨耗体積
1000kmあたりの磨耗量 vs 磨耗エネルギ
各部詳細
![](/shared/img/img_mamou_18.jpg)
搬送動作
ターレットにサンプルを装着後、a〜gの動作を行い試験スタートとなります。
サンプルリリースは、g〜aの動作となります。
外形図
![](/shared/img/img_mamou_20.jpg)
仕様
名称 | FPS 磨耗試験機 |
---|---|
型式 | AB-2012 |
試料形状 | 直径 70mm、厚み 20mm 又は、直径 50mm、厚み 10mm(選択) |
磨耗ホイール | 直径 250mm、幅 30mm(磨耗剤:セーフティウォーク) |
荷重 | 10〜80N(ロードセル 最大 100N)エアーサーボロードセルフィードバック方式 |
トルク計測 | ±2.5N・m(トルクメータ 最大±3N・m) |
設定スリップ率 | ±20% |
回転速度(試験速度) | 試料:25〜210m/min、磨耗ホイール(路面):35〜150m/min |
自動試料搬送機能 | ターレット部に装着した試料を自動搬送し、連続試験を実施 |
試料装着数 | 最大64個(φ50 試料)または最大32個(φ70 試料) |
表面温度測定 | 非接触式温度計 試料:0〜250℃ 磨耗ホイール:0〜250℃ |
温度制御 | 5〜80℃制御(オプション) |
タルク | タルクフィーダ回転数:0.05〜1.6rpm |
データ処理(PCによる) | 試験条件設定、試験開始・停止、データ採取、グラフ描画、重量データ採取など |
安全装置 | 非常停止スイッチ、ドアインターロック、オーバーロック |
ユーティリティ | 電源 AC200V 三相 30A 50/60Hz 乾燥空気 0.5MPa以上 25L/min |
使用環境 | (1)温度:5〜40℃> (2)湿度:35〜80%RH |
寸法・質量 | 約980(W)×1850(H)×560(D)mm 約320kg(集塵機、エアードライヤー含む) |
付属品 | 集塵機、エアードライヤー、校正用治具、芯金 他 |
オプション
電子天秤(PCでデータ取込が可能)
小型恒温槽(調湿用)
路面温度制御(5〜80℃)及び待機サンプル予備調温(搬送ターレット部)
サンプル着脱機
ロードホイール(予備用)
セーフティウォーク(#240、#120)